L880K コペン - Lck619 ( ラブラーク ) 製 4POT フロントブレーキ KIT

↑ Lck619 ( ラブラーク ) 製 4POT フロントブレーキ KIT
他社のキットもいろいろと検討しましたが、Lck619製 を購入。
決め手としては、まず、コペン専用設計のキャリパーで無加工で取り付け出来る事です。
他社製キットは、ローター面を奥にオフセットしてキャリパーのスペースを確保したりしています。
対向キャリパーは基本的に厚みがあるので、スペース確保に様々な工夫があるんですよね。
例えば、wilwood のキットですと、ローター面が奥へ約 6mm ほどオフセットしている物も。
また、ベルハウジング部分の厚みを増やしてホイール位置を外側にオフセットするタイプもあります。
有名な物では D-SPORT 製キットが結構厚みがあって約 8mm ほど外側に移動します。
ローター面を奥に移動するとバックプレートと干渉しますから、プレートを取り外すか干渉部分のカットが必要になりますからね。
ベルハウジングの厚みを増している場合もロングスタッドボルトに交換等、結構面倒な作業になります。
また、外側に出る事でホイールがフェンダー内に収まらなくなるケースもあります。
ホイールサイズによってはキャンバーボルトを使ってタイヤをフェンダー内に収め、アライメント調整も必要です。
( バックプレートを取り外したり、ロングスタッドボルトに交換する場合は、ハブベアリング交換も必須になる )
Lck619製も約 2mm ほどローター面が奥にオフセットしてますが、バックプレートとの干渉はありません。
ベルハウジング部分は純正と同じ厚みで、スタッドボルトの長さも純正状態と同じです。
加工が不要で、ホイールの取付位置を今までと同じ状態に出来るのが、このキットの最大の利点でしょう。
流石、コペン専用設計のキャリパーですね。
ただし、純正ホイールも取付可と説明文に書かれてましたが、そのままでは無理でした。
3mm のスペーサーを入れてギリギリ干渉しない感じです。
気持ち的には 5mm ぐらい必要かと思いますが、L880K のスタッドボルトは短いのでスペーサーは 3mm が限界。。。
そのため、余裕の少ない純正 BBS ホイールだと完全にアウトだと思います。

↑ ホイールとの間隔
ホイールサイズは 15インチ 5.0J +45 です。
3mm スペーサーを入れていますが、無くても問題なくクリアランスを確保しています。
ホイールのバランスウエイトは、極薄タイプを使って貼る位置に気を付けないと干渉しそうなので要注意かも。

↑ リペア用のピストンシールなど ( 別売品 )
キャリパーピストンやピストンシールなど、リペアパーツが入手可能な事も選択を後押ししました。
社外品って、いつまで入手が可能か判りませんので、リペアパーツなど買える時に買っておくのが私の主義。
メーカーに聞いたところ、ピストンはまず傷まないそうなので、通常リペアで使用するピストンシールセットだけ購入しました。
あと、オプション品としてブレーキパッドが 3種類用意されている事も良いところです。
パーツ詳細

↑ 開梱したところ

↑ キャリパーの前面側

↑ 裏側
ブレーキホースは純正と同様にセンター接続。
エア抜きのブリーダー部分は左右それぞれ上側に来るほうにバルブが付き、下側になるほうにメクラネジが入ってますね。
( 上の写真は右側用で、右にあるブリーダーバルブが付いているほうが上で、左が下になりメクラネジが入っている )
これら以外にボルト等は無いので、構造的にモノブロックのようです。

↑ 上面のアップ

↑ 内側
キャリパーサポートも一体化しているので、かなり剛性には期待出来そうですね。
キャリパーサポートが別体式の場合、板状タイプですと剛性が出にくかったりします。
ラジアル式のは取付精度が狂いやすく、ローター面に対してキャリパーを完全に平行に設置するのが難しい事も。
そういった不安要素が無い一体式はマジ有り難いです。
適度に肉抜き加工がされていて、持った感じは純正キャリパーよりも軽い感じ。
まあ、純正キャリパーは重い鋳鉄製ですが、Lck619製は軽量なアルミ合金ですからね。
おそらく径の大きくなったローターと合わせても、純正よりは少し軽くなるかと思われます。

↑ ハイカーボンのドリルドローター
ローターはキャリパーとは別梱包で、こちらも開梱してみました。
高品質アイアン(FC-25)にハイキャストカーボン配合で作られたドリルドローター。
通常の鋳鉄製ローターと比べてブレーキディスクの摩擦係数がはるかに高いとのこと。
熱による膨張や歪みも非常に少ないのが特長です。
なお、このローターは取り付けの向きが決まっていて、上の写真は右側用になります。

↑ 付属のステンメッシュブレーキホース

↑ ダスト少な目のオプションパッド ( 品番:LCK-BP-EC )
このパッドのスペックは摩擦係数 0.45、適正温度 0 ~ 450℃
なので、一般的な ENDRESS や projectμ 等で言うところのストリート用の区分かと。
しかし、なぜか「 ECO:エコ 」 って名前のパッドなんですよ。
ちなみにこの上のグレードが「 STREET:ストリート 」。
摩擦係数 0.48、適正温度 50 ~ 650℃ だから、一般的にはストリートと言うよりスポーツ系パッドですよね。
さらに上のグレードは「 SPORT:スポーツ 」。
摩擦係数 0.5、適正温度 50 ~ 720℃ となり、一般的にはサーキットを視野に入れたパッドと言えます。
Lck619 は全体的にスペックに対して低めのネーミングなんですね。
純正との比較

↑ 純正ブレーキローターとの比較
純正は外径が 246mm なのに対し、Lck619 のは外径 286mm です。
見た目は圧倒的に違います。
直径で 40mm も大きくなるので、かなり効きが良くなりそうです。

↑ ブレーキバッドの大きさ比較
パッドも大きさが結構違います。
| Lck619 | 純正 | |
| キャリパー形式 | 対向 4POT キャリパー | 片押しキャリパー |
| ピストン径 | 異径 32mm + 36mm | 51mm |
| ピストン面積 | ( 804 + 1,017 ) x 2 = 約 3,642 | 約 2,042 |
| キャリパー材質 | アルミ合金 | 鋳鉄 |
| ローター径 | 286mm | 246mm |
| ローターの厚み | 17mm | 17mm |
| ベンチレーテッド形状 | カーブヴェーン (渦巻状) | ストレートタイプ |
| パッドサイズ | 110mm x 47mm | 85mm x 42mm |
取付作業

↑ 既に純正キャリパーとブレーキローターを外したところ
一般的に純正よりも大きなサイズのブレーキローターに交換する場合、バックプレートの加工が必要なんですけどね。
でもダイハツの場合は大体上の写真のように径が大きくなっても邪魔にならない形状のため加工が不要。
Lck619 キットも、そのまま組込みが出来ます。

↑ キャリパーのセンター出し作業
キャリパーを固定する際、ブレーキ時にローターを中央で挟み込めるようセンター出しをしているところ。
ローターとキャリパーを仮固定し、ノギスにて採寸。
付属のシムを使って、出来るだけ中央に来るように調整します。

↑ WAKKO'S ブレーキプロテクター
私の場合、パッドの組み付けには必ずこれを使っています。

↑ 完成
パッドを組み込んだキャリパーを取り付け、あとはタイヤを戻せば作業完了です。
使用してみた感想

私が選択したパッドは少しマイルドな仕様で、初期制動がさほど強いタイプではありませんね。
いわゆる社外品にした事が踏み始めから判りやすいタイプのパッドとはちょっと違います。
まあ、一般ウケが良いのは踏んだ瞬間からググッと強い減速を感じるパッドですよね。
「 あっ! ブレーキ変えたんだ 」って一発で判るやつ。
でもそれって実際には使いづらかったりもするんですよ。
もっと微妙なコントロールが出来ないと、速く走るのにも向いてなかったりします。
( 一般的にサーキット向けなどスポーツ走行用パッドは初期制動力がさほど強くない )
そういう意味では、選んだパッドはまさに私好みで、踏み込み量に比例したリニアな効きと言えます。
踏み始めはホントに微妙な効き具合から始まって、踏み込むほどに上がる制動力。
対向式キャリパーの利点である効きの幅の広さ、微妙に踏む力を強めたり弱めたりした時の反応の高さ。
キャリパー性能と相まって、非常に扱いやすくクセがありません。
このコントロール性の良さは、ENDLESS 社の「 Super Street M-sports PLUS 」に通じる良い印象がありますね。
( Super Street M-sports PLUS は、ENDLESS 社製品の中でダントツのコントロール性を誇る )
ただ私の場合、この車でサーキットを走りたいとは思っていません。
9割以上が普段の街乗り、残り 1割はごくたまに気分良くスポーティーに走れれば良い程度 (笑)
それでも楽しく走れて、安全性を高めるブレーキにする事は非常に重要だと思っています。
直径が 40mm も大きく、カーボン配合の摩擦係数の高いローターのおかげで、特に尖った性能のパッドじゃなくても充分に効く。
むしろ一般ウケとは少々ベクトルが違うけど車を操る楽しさがある良いブレーキになったと思います。
ちなみにブレーキ鳴きは一切無く、ダストも少ないですね。
白色ホイールを使っているので、ダストが少ないのはマジ助かります。
